BUSINESS

Text:光田 さやか

Photo:小林 翔

  • facebook
  • twitter

PROIFILE

中村 寛希
株式会社ASNOVA 営業部長。2016年に株式会社ASNOVAに入社し仙台営業所長、STATION事業部長を経て、2025年4月より現職。
BUSINESS

ASNOVA成長の変革期。営業部長が見る「人が育つ組織」のあり方

足場レンタル事業を確かな収益基盤としながら、次なる成長エンジンとして新規事業に動き出しているASNOVA。循環型社会をリードする組織としてより具体的な未来を見据えていくため、今期より営業部長に就任したのが中村寛希さんです。さまざまに展開される新体制のもと、「やりがい・わくわく・あんしん」を軸とした営業部づくりに挑む中村さんに、そのビジョンと想いを聞きました。

Text:光田 さやか

Photo:小林 翔

  • facebook
  • twitter

PROIFILE

中村 寛希
株式会社ASNOVA 営業部長。2016年に株式会社ASNOVAに入社し仙台営業所長、STATION事業部長を経て、2025年4月より現職。
営業部長 中村 寛希さん

「ありがとう」から始まる営業部。責任と挑戦の日々

Q.営業部長に就任した率直なお気持ちをお聞かせください。

中村:率直に言うと、責任が一気に増えたなという感覚です。管理する社員の人数が増えたことで、目を向けるべきポイントや、気にかけることが確実に広がりました。営業という職種である以上、数字で成果を示し、売上目標を達成することが必須です。また今期は体制変更や拠点開設も重なり、より多角的な視点が求められていると感じています。

Q.新体制というと、福岡営業所の開設やSTATION事業部が営業部の配下に入った点などが挙げられますね。

中村:福岡県は、以前から手応えを感じていたエリアです。佐賀鳥栖センターに加えて、熊本センターも軌道に乗ってきました。複数のセンターを束ねていくためには、営業所の設置が必要でしたし、何より九州の市場規模は大きく、非常に魅力的だと感じています。大都市である福岡県をはじめ、九州エリアの施工会社さんが抱える細かなニーズも多岐にわたるはずです。我々としても、そうした声にしっかり応え、手を差し伸べられる存在になっていきたいと考えています。

また、STATION事業部については、これまでは営業部とSTATION事業部が、会社の資産である足場を“分け合う”ような関係でした。しかし、組織体制の見直しにより、STATION事業部は営業部の配下に入り、現在は「STATION事業課」として一体運営されています。これにより、これまで以上に連携を強めながら、資産の有効活用を進められる体制が整いました。まだスタートしたばかりの体制なので手探りではありますが、お互いの情報を共有し合いながら、機材の循環を最大化できるようにしていきたいと思っています。

Q.当時のSTATION事業部長から営業部長へと役割が変わりましたが、お気持ちの面での変化はありますか?

中村:大きく変わったのは、「自分がやる」から「次をつくる」へと視点を移したことです。 ASNOVA STATIONは新規事業だったこともあり、これまでは自分が現場で結果を出すことが中心でしたが、今は“社員がどう動くか”に責任を持つ立場になりました。自走する組織の土台は“人”です。だからこそ、その育成を見守り、支えるのが自分の役割だと思っています。
また、営業部全体としては、思いやりや感謝、「おかげさま」という気持ちを根付かせるようにしたいですね。今期、営業部では「ありがとうから始める」コミュニケーションをルールとして取り入れました。これが自然と浸透していけば、社員一人ひとりが自ら考え、動けるようになると信じています。

そして何より、「たくさん失敗を経験させる」ことです。失敗した経験に慣れることで、「次はこうしたらいい」と前向きに取り組むことができるようになるはずです。そしてその先に、ASNOVAが目指す「自走型組織」につながっていけばいいですね。

自分で決めて動く人材に。営業部、そしてASNOVAの進化

Q.自ら主体的に動ける「自走型組織」を目指す中で、中村さんご自身が意識していることはありますか?

中村:なるべく“介入しすぎない”ことですね。機材センターのことはセンター長に、営業部の各拠点のことはそれぞれの営業所長に任せています。また、営業部では定期的に勉強会を実施しているのですが、今までは部長が旗を振って進めていたのを、今期からは係長以下のメンバーにその役割を託しています。部長や役員から何か言われるよりも、より現場に近い立場の人からの言葉のほうが、浸透しやすいですからね。そういった日常の積み重ねの中で、自然と主体性が育っていくと考えています。

Q.現在の営業部が抱える課題とはどのようなものでしょうか?

中村:ASNOVAは、良くも悪くも”社員が若い”ことが特徴です。そのため、これまでに接してきた人の幅が限られており、価値観や考え方のバリエーションに触れる機会が少ないという点を課題に感じています。もっと多くの人と関わりながら、多様な視点を吸収し、経験値を高めてほしいなと思っています。お客様に限らず、異業種の方々との交流や、どんな場面でも構わないので、とにかくたくさんの“対話の場”を持ってほしいです。

私自身も、前職でのつながりやコミュニティには今でも顔を出しています。実は学びや刺激のチャンスって、日常の中にけっこう転がってるんですよ。そうした機会に自ら興味を持って、積極的に動けるかどうかが、成長の分かれ道だと思います。

Q.経験値が増えると、仕事への向き合い方も変わってきそうですね。

中村:そうなんです。営業部は、経営者とお話しする機会も多いので、いろんな経験や視点を持っていることで、相手の言葉の解像度が変わってくると思うんです。こちらの話す内容にも厚みが出てくるし、説得力も増していく。だからこそ、若いうちにたくさんの場面に触れておいてほしいと思っています。

Q.今後の営業部の目標や方向性を教えてください。

中村:もちろん数値目標とその達成は営業部として非常に重要です。ただ、それ以上に「人として自立すること」を何より大切にしたいと考えています。今後、新規事業にもどんどん取り組んでいくことになると思います。そのときに、“自分がやってみたい”と自然に手を挙げられる人が増えていくような部でありたいです。

そうすれば、新たなポジションも生まれていきますし、営業部の中から“唯一無二の価値”が創出されていく。そんな未来に向かって、常に挑戦し続けられる組織でありたいと思っています。

INDEX