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Text:なかがわ あすか
Photo:岡安 いつ美

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ASNOVA CHALLENGER .02 佐藤唯さん 入社2年目の事業責任者が描く「MIRAIVA」の未来

建設現場でよく見かける「足場」。マンションの老朽化や自然災害と言った社会課題の解決に無くてはならない存在です。近年は、イベントの空間設計、仮設オフィス、ギャラリースペースなど、ほしい空間を柔軟にデザインできる手段として、活躍の場をじわじわと広げています。

2023年4月にローンチ予定の「MIRAIVA(ミライバ)」は、この動きを後押しするASNOVAの新規事業です。イベント業者やアーティスト、クリエイターなど足場を利用したい一般ユーザーと足場施工業者のマッチングから、足場が活躍する場を広げ、社会に新たな価値を生みだす場「VA」を創造していきます。

事業責任者を務めるのは、入社2年目の佐藤唯さん。普段はブランディングやIR、広報の業務を担う彼女は、経営企画室が創出した新規事業の責任者を社内で募る社内制度「ASNOVA Challenge System」を利用した二人目でもあります。

佐藤さんは今後MIRAIVAをどのように先導していくのでしょうか?事業の内容や責任者になるまでの経緯も含めてお話を伺いました。

Text:なかがわ あすか
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PROIFILE

経営企画室の佐藤唯さん

一般ユーザーと足場施工業者の不安を解消し、理想のマッチングを支援

はじめに、MIRAIVAとはどんなサービスなのか教えてください。

佐藤:イベント業者や建築デザイナー、アーティストなど足場を利用したい一般ユーザーと、足場施工業者をダイレクトにつなげるマッチングサービスです。業者をどのように探し、選べばいいのか。迷ったときにMIRAIVAを使うことで、施工にかかる予算や期間などの希望条件に合った業者を探せます。あるいは、自分たちで探したり、選んだりすることに不安がある場合は、ASNOVAがコンシェルジュとなり、相談に乗って仲介することも可能です。

足場施工業者にとっても、足場に詳しくない一般ユーザーと取り引きをするのは何かと不安が多いと想像します。MIRAIVAは業者にもメリットがあるのでしょうか?

佐藤:おっしゃる通り、足場施工業者も「前提の知識が揃わないなかで、話が通じるのか、希望通りの施工ができるのか」といった不安はあるかと思います。加えて、繁忙期と閑散期の差が大きく、価格競争により施工単価も下がり、職人不足に陥るなど業界全体の課題も山積みです。これらに対しても、MIRAIVAは価値を発揮したいと考えています。
 
MIRAIVAを通じて一般ユーザーが理想の業者と出会うことで、新規案件の受注にもつながりやすくなるはずです。また、業者が施工を安定的に受注できれば、無理に値引きをすることもなくなると思います。MIRAIVAを活用する人が増えることで足場の市場規模も大きくなれば、雇用の安定化も期待できます。

足場施工業者と一般ユーザー、双方の不安を解消しうるサービスなんですね。近年は一般ユーザーの間でも、足場の利用ニーズは高まっているのでしょうか?

佐藤:ASNOVAに入社してからの1年間だけでも、個人の方から「足場を貸してほしい」と依頼があったり、高校生から「文化祭で足場を使いたいが、自分たちでは組み立てられないから施工もお願いしたい」という問い合わせが何度かありました。一般の方でも足場を利用したいニーズは確実にあるように思います。

 
これまで建設業界と足場施工業者をつなぐサービスはあったんです。一方、一般ユーザーとのマッチングはほとんど未開拓。足場のレンタル・販売事業を担うASNOVAとしては、足場の市場を広げていくためにも、足場を活用する場を広げていく必要があります。MIRAIVAは、そうした考えのもとで約1年前に経営企画室から誕生しました。事業の方向性が固まってきたところで、本格的な事業化を見据えて社内で担当者が募集されたんです。
 

「何をするか」より、「誰と働くか」を重視して入社

佐藤さんがMIRAIVAの担当になるまでの経緯をお伺いする前に、そもそも、なぜASNOVAに入社したのか聞かせてください。

佐藤:新卒で証券会社に入社したものの、学生時代から経理や簿記に関する仕事がしたかったので、勤めて3年の節目に転職を決意しました。当時は足場に強い関心があったわけではなく、「経理を募集していた」という理由からASNOVAに応募したんです。入社の決め手となったのは、取締役や上司の人柄でした。前職が堅い業界だったこともあり、「取締役との面接」と聞いて大変緊張していたところ、不安をほぐすように気さくに話しかけ、楽しい雰囲気をつくってくださって。「取締役」のイメージを良い意味で覆されました。
佐藤:経営企画室の室長を務める上司の小野さんは、私と同じくASNOVAに入社するまで足場と無縁だったにも関わらず、足場の可能性を信じて、活用の幅が広がるように尽力している方で。パルクールの元全日本チャンピオンが率いるチームとコラボしたイベントの企画運営に携わっていました。
 
この方達と一緒に働きたい。面接を重ねるうちに、そんな思いが強くなったんです。同時に証券会社に務めていた経験も見込まれて、IRでの採用を提案されました。ASNOVAなら、たとえ経理でなくとも自分らしく楽しく働ける。直感的にそう思って、IRや広報を担う経営企画室での採用が決まりました。IRでは決算説明会向けの資料や原稿の作成を、広報ではプレスリリースの作成や、プレス関係者の方々とのコミュニケーションを担当しています。

「何をするか」以上に、「誰と働くか」を重視したんですね。志望とは異なる、かつ未経験の職種を担当したこの1年間、佐藤さんはどう振り返りますか?

佐藤:意外と自分なりに仕事ができている感覚はあります。証券会社では営業担当だったこともあり、「どのように企業の魅力をアピールすれば、お客様に興味を持っていただけるのか」という観点を持って仕事をしていました。その視点はIRや広報でも重要なので、前職の経験を活かせているなと感じますね。

MIRAIVAの未来を担う自分をイメージできた

佐藤さんがMIRAIVAの事業担当になった背景には、経営企画室が創出した新規事業の責任者を社内で募る「ASNOVA Challenge System」があると聞きました。

佐藤:入社した2021年に導入され、所属や役職を問わず、まだ世に出ていない新規事業のリリースに携わることができる制度だとは知っていました。パートナー企業からASNOVAの足場材をレンタルできる「ASNOVA STATION」の事業担当者も、この制度で決まっています。自分が二人目の利用者になるとは夢にも思っていませんでした。

なぜ、立候補したのでしょうか?

佐藤:2022年6月に経営企画室からMIRAIVAの説明と事業責任者を募集する話を聞いたときに、この事業を担う自分の姿がイメージできたんです。というのも、広報の一環としてオウンドメディアの記事制作に関わっており、足場を活用するアーティストやアスリートの方へ取材をしたことがあって。お話を聞くなかで「足場の出番は、建築現場だけじゃない」という実感が高まっていったんです。

例えば、ASNOVAとコラボイベントを開催したパルクールチーム「SPEMON」の代表・木本登さんは、「可変度が高い足場は、自由に演目を構成できるパルクールの舞台にぴったりだ」と話していました。実際、パルクールのイベント当日、予定の設計図どおりに足場を組み立てたところ、改善点の希望が出てきて急遽設計を変更したそうです。これが叶うのも、足場だからこそだと。
 

足場が建設現場以外のシチュエーションでも役立ち、多様なポテンシャルを秘めていることを実感したんですね。

佐藤:足場の可能性が広がるイメージがどんどん膨らんでいきましたね。なので、MIRAIVAの話を聞いたときも、事業の意義や価値がスッと腑に落ちる感覚がありました。キャリアアップを考えていた時期でもあったので、事業責任者に応募したい気持ちはあったものの、決断するまではかなり迷いましたね。入社1年目、Webマーケティングの知識にも乏しい自分に本当に務まるのかと。上司の小野さんに何度相談したことか。最終的に「やりたい気持ちがあるなら、挑戦したほうがいいよ」という小野さんの一言に押され、2022年7月に応募しました。

発見だらけの毎日。周囲の心強いサポートを糧に

MIRAIVAの事業担当になって1か月。事業と佐藤さんの現在地を教えてください。

佐藤:7月下旬に役員会での事業構想の説明を終えたところです。事業化するまでは経営企画室の方がサポートしてくれるので、一緒に段取りを確認しながら、2023年4月のローンチを目指しています。現在は経営企画室の方と一緒にサイトをつくっている段階です。徐々に営業戦略を立てる話も挙がっていますが、正直、分からないことだらけで……。分からないことが何かを知るために、疑問点を片っ端から洗い出して一つずつ整理しています。

事業を形にしていくなかで、新しい発見や学びはありましたか?

佐藤:正直、事業担当になる前は「サイトをつくるだけでは?」と甘く見ていた部分もありました。実際は考えることだらけです。一般ユーザーの方や足場施工業者の登録を増やすためにはどうすればいいのか、大前提としてマッチング数を増やすことだけど、じゃあ成約を促すためには何が重要なのか、答えの一つが「サイトの使いやすさ」だとすれば、どうすれば使いやすくなるのか、など日々思考しています。Webマーケティングは専門用語も多く、分からないことをキャッチアップするのも一苦労ですが、発見ばかりの毎日が、やりがいにもつながっているのかなと感じます。

事業化するまでは普段の業務と兼任だそうですが、どのようにバランスを取っているのか気になります。

佐藤:現状は普段の業務に割く比重のほうが大きいですね。バランスを取るのは難しいと感じるときもありますが、経営企画室の方だけでなく、経営企画室のメンバーも今回の挑戦を応援し全面的にバックアップしてくれるので心強いです。改めて考えても、入社2年目の26歳の社員に一つの事業を任せてくれる会社はそうないと思います。社歴に関係なく新しいことに積極的にチャレンジでき、手厚くサポートしてくれる。ASNOVAの魅力の一つですよね。 

目指すは、「建設29業種を探すポータルサイト」

今後、MIRAIVAをどのようなサービスにしていきたいですか?

佐藤:直近は使いやすいサイトを形にすることが目標ですが、ゆくゆくは足場だけに限らず、塗装や解体など建設29業種と呼ばれる業者を探すポータルサイトを目指しています。一般ユーザーはもちろん、建設業界の業者も希望の条件を入力するだけで理想の業者を探せるサービスを提供したいですね。
 
現状、代理店を挟むと仲介料が高くつくケースもあり、予算内に収まらずに業者の利用を断念せざるを得ないこともあると思います。それを防ぐようなビジネスモデルも検討中です。
 
そうした取り組みの末に、「足場施工業者しかり、建設業界の業者に連絡するのは難しくない」というイメージが世の中に広がるといいなと思っています。自分たちの希望を叶えてくれる施工の依頼先を見つけ出し、連絡をする。このハードルが下がるだけでも、足場業界、ひいては建設業界の可能性は一気に広がるはずですから。
 

最後に、MIRAIVAの担当者として佐藤さんが挑戦したいことを教えてください。

佐藤:今後、順調に事業化すれば、新しいメンバーがチームに加わるかもしれません。そのときは、事業を推進するだけでなく、チームを引っ張っていく責任も生まれます。チームマネジメントの経験もないので不安はありますが、頼られる存在になれるように精進したいです。ASNOVAで働きたいと思わせてくれた方達に、そして、今回のチャレンジを応援してくれる方達に頼もしい存在だと感じてもらえるように。まずはMIRAIVAを成功させて、しっかりと貢献していきたいです。

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