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Text:光田 さやか
Photo:小林 翔

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森下 哲
株式会社ASNOVA 取締役 仮設事業本部 本部長。2017年に株式会社ASNOVAに入社し、仮設事業本部の本部長として足場レンタル事業全般に携わる。
内田 寛次
機材管理部 中部エリア エリア長。2013年、ASNOVA入社。愛知県の弥冨センターにて営業とセンター業務を務め、2021年より現職。
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クリエイターの活動を足場で支える。「モノづくり×足場」の新たな可能性

2023年9月2日、グランフロント大阪北館1F ナレッジプラザにて、「KNOWLEDGE CAPITAL OPEN FACTORY」が行われ、モノづくりに携わる全国各地の企業やクリエイティブユニットなど約60者が参加しました。 それぞれの商品を通じて価値観や思いが感じられるイベントとなり、会場には多くの人が訪れました。 このイベントで、ASNOVAは足場を設置しました。私たちASNOVAは日頃から「足場の可能性」について考えてきましたが、今回のイベントではどのような発見や気づきがあったのでしょうか。 取締役 仮設事業本部 本部長の森下哲さんと、機材管理部 中部エリア エリア長の内田寛次さんに聞きました。

Text:光田 さやか
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森下 哲
株式会社ASNOVA 取締役 仮設事業本部 本部長。2017年に株式会社ASNOVAに入社し、仮設事業本部の本部長として足場レンタル事業全般に携わる。
内田 寛次
機材管理部 中部エリア エリア長。2013年、ASNOVA入社。愛知県の弥冨センターにて営業とセンター業務を務め、2021年より現職。

前回のイベントの反響を受け、新たな場づくりに挑戦

まず、どのような経緯で今回のイベントが決まったのでしょうか?

森下:2023年6月に同じ場所でナレッジキャピタル主催のイベント「ナレッジキャピタル最新レポート」 が行われ、その催し物の1つとして私たちはクリエイティブユニット・岩沢兄弟とともに足場を使って「いらないもの物流センター」を作りました。
このことがきっかけで、今回の「KNOWLEDGE CAPITAL OPEN FACTORY」で使われるメインの什器を足場でお願いできないかとお声がけいただきました。
私自身も、前回よりももっと大きな規模で、いろいろな人が集まる場を提供したいという思いがあったため、是非やらせていただきたいとお返事しました。
仮設事業本部 本部長:森下 哲

ASNOVAのどのような部分を評価していただけたと思いますか?

森下:「仮設の面白さ」を提案したところでしょうか。前回のイベントで「足場でこんなことができるんだ」という、足場の魅力を感じていただけたのだと思います。前回は、「モノの循環」をテーマにしていたため、あえて中古品を提供しましたが、今回も前回と同じく「新品ではなく中古品で」とのオーダーをいただきました。「什器にところどころペンキやコーティング剤がついていることで、人の手が加わっている良さを感じられるから」とのことで、「そのような感じ方もあるのか」と私自身も改めて思うところがありました。
内田:普通のイベントですと、やはり見た目が大事ですし、新品をお持ちするんです。最初は不安もありましたが、中古の足場にそのような価値を見出してもらえたことが嬉しかったです。
森下さんが主に先方とのやりとりをしてくださり、私は現場監督として組み立てに携わりました。森下さんも現場の経験がある方ですし、私たちの連携もスムーズで、お互い安心してこの場を作り上げることができました。
機材管理部 中部エリア エリア長:内田 寛次

足場を設置する際に心がけたことはありますか?

内田:出展者さんの商品が目立つようにするため、足場が目立ってしまわないように心がけました。また、商品の特性上、事業者さんによっては「この位置に踏板を設置してほしい」「上から吊るす展示をしたいので、この手すりの位置をずらしてほしい」という個別のご依頼もありましたので、対応しました。
クリエイターの方々に私たちが合わせたり、逆に私たちの足場にクリエイターの方々が合わせて展示をしてくださったり。そういった「足場の持つ柔軟さ」はお互いに感じることができたのではないかと思います。
森下:イベントでの足場設置は、時間厳守であることが求められるため、時間との戦いでもありました。今回は当日の夜0:30から設置を始め、完了したのが朝の5:00でした。図面では完璧だと思っても、実際には数センチずらしたほうがいいなど、現地に来てみて初めてわかることもあるので、もっと経験を積みたいところですね。

自発的なイベントや他業種とのコラボも積極的に

今後「足場の可能性」を広げていくためにはどのようなことが必要だと思いますか?

森下:実際にやっていることを発信していくだけではなく、イベントでの出会いを通じて他業種の方々と直接交流することが必要だと思います。先ほども、少し出展者の方とお話する機会があったのですが、そのようなオフラインでの情報収集を増やして、アドバイスをいただきながら可能性を探っていきたいですね。
内田:私たちが主体となってイベントを実施する、というのもいいと思います。足場を足場として使うのではなく、空間として楽しんでもらえるような。たとえば「面白そうなアイデア」が先にあって、そこに足場をどう組み込んでいくかを考えるのもいいですね。

今後の展望などがあればお聞かせください。

森下:私たちが行っている「足場のレンタル」は、いわば「リユース」です。それに加えて、廃棄してしまうような足場も「リユース」ができたらいいですね。建設現場の基準には満たないような機材でも、別の使い方ならできるかもしれない。何かしらのものに「アップサイクル」することで、より多くの皆さんに足場を目にする機会を増やしていけたらと思います。
内田:私は、農業系とのコラボに可能性を感じます。足場は、自由に高さも変えられて耐久性もあります。その特長を生かして、農家さんの力になれないかなと考えています。足場には、私たちが想像もできないような可能性があると思うので、今後も新しいアプローチができるよう、積極的に活動していきたいです。

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