「居心地がいい機材センタープロジェクト」が始動!
そもそも機材センターとは、どのような場所なのでしょうか。
内田:機材センターは、くさび式足場に特化した仮設機材のレンタルと販売をしていて、2022年3月期末時点で約90億円のレンタル資産を保有しています。近年レンタルにおいては、必要な時に必要な数量が近隣の機材センターにて出庫できるよう、AIによる需要予測を活用し、在庫なしでの失注防止や過剰在庫の防止を進めています。
西口:AIを用いた数字の管理を本部と連携しながら、日々お客さまから頂く発注に対する在庫確認・入出庫受付、ヤード内での入出庫業務・出庫準備・返却資材の検品・検収作業・伝票入力等も行います。
ご利用になるお客さまはどのような方が多いのでしょうか?
深野:「足場屋さん」と言われる、足場架払工事を主とする足場施工業者が主要なお客さまです。メイン顧客は、売上高が1億から3億円の足場施工業者ですが、売上高が20億円を超える地元工務店や中堅ゼネコン、レンタル同業者や塗装業者との取引もあります。個人住宅や低層・中層マンションを施工されている業者が多いですね。
くさび式足場一本からレンタルもできますので、割合としては少ないですが個人のお客さまもいらっしゃいます。
篠原:センターや季節によって変動はありますが、17拠点ある機材センター全体で、週平均500tは動きがあります。ざっと計算しても大型トラック50台分。20台を超えるトラックがセンターを出入りする日もあります。
お客さまとの関わりで印象に残っている出来事はありますか?
内田:人間誰しも慣れた機材を使いたいと思うものなので、新商品を使っていただくには高い壁があります。その分、ASNOVAで独自開発した、新商品のくさび緊結式次世代シート朝顔「SpeeK」を提案したときに、使っていただいた時のことはよく覚えています。「次も使わせてもらいますね」と言ってくださるお客さまもいて、今後もより良い提案をしていきたいと思いました。
深野:私はお客さまだからといって遠慮はせず、「このように使われてはどうでしょうか?」「こちらの方が効率がいいですよ」と正直な気持ちや考えをお伝えしています。お客さまの多くは「足場屋さん」と呼ばれるプロです。私たちもくさび式足場に特化した仮設機材のレンタル・販売のプロとして、対等に関わらせてもらっています。その上で、「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえると嬉しいですね。
課題を解決して、より「居心地がいい」センターへ
現在、機材センターの職場環境に対して、どのような課題意識がありますか?
西口:今も十分に居心地は良いです。毎朝、出勤する時にはポジティブな気持ちで、「今日も頑張ろう!」と思えます。
内田:チャレンジしやすい環境ですからね。日々の業務でも、「もっとこうしたらいいのでは?」「こっちの方法だともっと効率が良くなるのでは?」などと提案したら、どんどん実験できる環境を本部が作ってくれています。
ただ課題があるとしたら、もっと女性が働きやすい環境を作りたいということ。今は機材センター17拠点で、女性がたった一人。足場業界は「きつい・汚い・危険」の3Kのイメージが強いので、職場環境を良くして、男性も女性も働きやすい環境にしていきたいです。
篠原:そうなると、人材不足の課題解決にも繋がりそうですね。3Kのイメージが付いていることから、足場業界はそもそも入社希望者が少ないのが現状です。そこで本プロジェクトでは業界内外の方たちにアプローチして、業界自体のイメージアップもしていけたらと考えています。
では、機材センターを利用するお客さまにとって、「居心地がいい」とはどのようなものと考えられていますか?
西口:お客様にとっては「いつでも・近くで・安心して借りられる」のサービスこそが居心地の良さだと考えます。今後は、営業所・機材センターがない地域でも、パートナー企業からASNOVAの足場機材をレンタルできる新規事業「ASNOVA STATION」、一般のユーザーが複数の足場施工会社に一括で相見積もりができる「マッチングサービス」、「新規出店」等、既存事業拡大と新たな事業の立上げを推進し、お客さまの満足度向上に努めていきます。
深野:そうしたサービス向上も大切ですね。また、逆説的ですが、まずは働く私たちが居心地が良いと思うことが大切だと思います。居心地が悪いと思っている人がサービスをしても、お客さまに喜んでもらえるわけないですよね。なので、本プロジェクトでは、まずは職員の働きやすさを向上するための取り組みを始めています。
働きやすい職場環境を作るために2つの制度を導入
職場の居心地の良さを向上するために、具体的にどのような取り組みを始めましたか?
篠原:2つあります。一つは「シフト制バケーション」の導入です。これは、エリア長の仕事と生活の調和を図る事を目的に発案され、2022年6月から実行しています。人材不足からくる休暇が取りづらい環境の改善を目指したもので、各拠点のセンター長や社員が最大8日間の連続休暇を取れるようになりました。未知の体験や家事育児、趣味等から刺激を受けることで、これからのASNOVAらしさをつくる新しい視点やチャレンジ精神を育んでほしいと思います。
深野:この制度は2021年秋にエリア長が集まり実施した「社内ワークショップ」から生まれたものです。居心地の良さを向上するためにできることのアイデアを出し、その中から本部に提案して実現に至りました。
篠原:二つ目が「マネジメント教育制度」の導入です。他センターのやり方を見聞きし、知識を広げた中で、どのようにして自センターの課題と向き合っていくのかをPDCAサイクル方式で探してもらいます。入出庫受付や入出庫業務、検収方法など業務の進め方は、各拠点センターによって大なり小なり異なっています。そのため、研修教育を通じて見分を深め、自身の成長はもとより、自センターでの業務効率に繋げてもらうことが目的です。
西口:センター長同士は、電話やチャットで日頃からコミュニケーションをとっていますが、他拠点に行く機会はほとんどありませんでした。現場へ行くことで、実務レベルの細かい意見交換ができています。こちらも6月から開始しており、今後出てきた意見や改善策を各センターで取り入れていく予定です。
エリア長として、今後の計画や実現していきたい取り組みがあれば教えてください。
内田:ASNOVAは中期目標として、3年後のレンタル事業の売上が30億円となることを目指しています。今後の売上促進には、お客さまの満足度向上が急務と考えています。また、新規出店を進めるにあたり、若い人材の育成・教育を推し進め、社員にとっても働きやすい環境づくりを提供していきます。
西口:そうした目標を受け、機材センターは本プロジェクトの他に「WEB受発注システム」「AIを用いた需要予測」「新規出店」を推進し、新しい技術をうまく取り入れながら、お客さまの満足度向上と、社員の働きやすい環境作りを行っていきます。
深野:「居心地がいい」とは、裏を返せば不安がないということだと思います。ハードや仕組みに加え、機材センターで働く社員が安心して働けるよう、エリア長としてきめ細やかなコミュニケーションをとりながら、不安が生まれる前に環境を整えていきたいです。
篠原:そうですね。ご縁があってASNOVAに入社していただいたのだから、心から「ここで働けてよかった」と思ってもらえるように努力していきたいですよね。
内田:私にとってASNOVAといえば、やっぱり挑戦する気持ちをもつ社員がいて、チャレンジしやすい環境があること。常に初心を忘れず謙虚な気持ちで業務に向き合いながら、未来を見据え、社員一丸となって日々チャレンジしていきます。