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Text:佐藤 唯
photo:小林 翔

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PROIFILE

上田 桂司
株式会社ASNOVA Companies 代表取締役社長。2013年にASNOVAを創業。足場レンタル事業を軸に全国へ事業を拡大し、2022年に名証ネクスト、2023年に東証グロース市場へ上場。2026年10月に単独株式移転によりASNOVA Companiesを設立。現在は持株会社体制のもと、M&Aや海外展開を通じて、レンタル事業で培った強みを活かしてグループの成長を牽引している。
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創業からの10年。その先へ。ASNOVA Companiesが描く次の成長戦略

2026年10月1日、ASNOVAは純粋持株会社体制へ移行し、「株式会社ASNOVA Companies」として新たな一歩を踏み出します。

2013年の創業以来、足場レンタル事業を軸に成長を続けてきたASNOVA。2022年の名証ネクスト市場上場、2023年の東証グロース市場上場を経て、全国へ拠点を広げながら事業基盤を築いてきました。創業からの「最初の10年」を経て、ASNOVAは今、「次の10年」へと歩みを進めようとしています。持株会社体制への移行の背景には何があるのか。また、その先にどのような未来を描いているのか。

今回は、持株会社化の狙いや今後の成長戦略、そしてASNOVA Companiesが目指す姿について、代表取締役社長の上田桂司に話を聞きました。

Text:佐藤 唯
photo:小林 翔

PROFILE

上田 桂司
株式会社ASNOVA Companies 代表取締役社長。2013年にASNOVAを創業。足場レンタル事業を軸に全国へ事業を拡大し、2022年に名証ネクスト、2023年に東証グロース市場へ上場。2026年10月に単独株式移転によりASNOVA Companiesを設立。現在は持株会社体制のもと、M&Aや海外展開を通じて、レンタル事業で培った強みを活かしてグループの成長を牽引している。

足場レンタルのその先へ。広がる事業の可能性

Q.ASNOVAは、どのような価値を提供している会社なのでしょうか。

私は、ASNOVAの本質は足場レンタルそのものではなく、「モノを活かすこと」にあると考えています。

足場は一度使って終わるものではありません。現場で役目を終えた足場は機材センターへ戻り、検収や修復を経て再び現場へ送り出されます。お客様には見えない部分ですが、その裏では多くの社員が一本一本の部材と向き合いながら価値をつないでいます。

私は室町時代から続く、「金継ぎ」の精神に、ASNOVAのレンタル事業との共通点を感じています。割れた器を捨てるのではなく、丁寧に修復しながら使い続ける日本古来の文化です。足場も同じように、一度使って終わるのではなく、整備や修復を重ねながら価値をつなぎ、次のお客様へ送り出していきます。私は、この考え方がASNOVAのレンタル事業とも深く重なっていると感じています。

モノを大切にし、その価値を次へつないでいく。その考え方こそがASNOVAの原点であり、変わらない軸です。

Q.ASNOVA Companiesは、どんな会社を目指しているのでしょうか。

私たちが目指しているのは、単なる足場レンタル会社ではなく、足場レンタルで培った強みを活かしながら新たな事業領域へ挑戦するグローバル企業グループです。

ASNOVAはこれまで足場レンタル事業を中心に成長してきましたが、私自身は足場という事業そのものよりも、その根底にある「モノを長く活かし、価値を次へつないでいく」という考え方に大きな可能性を感じています。足場レンタルで培ってきた考え方やノウハウは、足場だけにとどまるものではありません。モノを大切に使い、その価値を高めながら次へつないでいくという考え方や資産を管理・運用する仕組みは、さまざまな事業にも活かせる普遍的な強みだと思っています。だからこそ、持株会社であるASNOVA Companiesのもとで、足場レンタルに加え、仮設トイレレンタルをはじめとした新たなレンタル事業へ挑戦していきたいと考えています。

これからの10年は、これまで築いてきた基盤の上に、新たな事業、新たな地域、新たな挑戦を積み重ねながら、グループとしての可能性を広げていく10年にしたいと思っています。

持株会社化とM&Aが切り拓く次の成長ステージ

Q.「次の10年」に向けて、なぜ今持株会社化するのでしょうか。

創業からの10年が足場レンタル事業の基盤を築く期間だったとすれば、これからの10年は事業領域を広げていく期間です。

足場レンタルを中心とした単独事業から、複数の事業を展開するグループ経営へ。その変化に対応するためには、事業運営とグループ経営を切り分ける必要があると考えました。そこで2026年10月に純粋持株会社体制へ移行しました。持株会社はグループ経営や資本配分、M&A戦略を担い、各事業会社はそれぞれの事業に集中する。そうした体制を整えることで、より機動的な成長を実現したいと考えています。

Q.初めてのM&Aで、どんな可能性を感じましたか。

2025年には、シンガポールで仮設トイレレンタル事業を展開するQool社をグループに迎えました。私たちにとって初めてのM&Aでしたが、この経験を通じて改めて感じたのは、私たちが目指しているのは「足場の会社」ではなく、「レンタルの力で新たな価値を生み出す会社」だということです。

仮設トイレレンタルは足場レンタルとは異なる事業に見えるかもしれません。しかし、資産を保有し、貸し出し、回収し、整備しながら再び価値を生み出すという点では、本質的に共通しています。Qool社には長年活用され続けている資産もあり、私たちはそこに大きな価値を感じました。モノを長く活かしながら収益を生み出し続けるという考え方は、まさにASNOVAが大切にしてきたレンタル事業そのものだったからです。この出会いによって、足場レンタルで培ってきた考え方やノウハウは、足場以外の事業にも活かせることを確信しました。Qool社とのM&Aは私たちにとってレンタル事業の可能性を広げる大きな一歩になったと思っています。

Q.なぜASEANに大きな可能性を感じたのでしょうか。

今後の成長戦略の中心にあるのがASEANです。当初は国内企業の買収も数多く検討しましたが、人口増加や経済成長が続くASEAN市場に大きな可能性を感じました。2026年4月にはASEAN地域統括会社であるASNOVA Singaporeを設立しました。今後はシンガポールを起点に、ASEAN全域、さらにはAPACへと展開を広げていきたいと考えています。

言語や文化の違いは確かにあります。しかし私は、それを障壁ではなく機会だと捉えています。まだ多くの人が見つけていない優れた企業や経営者と出会える可能性があるからです。今後も「小を積んで大を成す」という考え方のもと、優れた企業との出会いを重ねながら成長していきたいと思っています。

Q.国内足場事業は、これからどのような役割を担うのでしょうか。

新たな挑戦を進める一方で、国内足場事業の重要性が変わることはありません。

現在、私たちは全国33拠点の機材センターネットワークと国内最大級の足場保有量を有しています。住宅やマンションの修繕需要、災害対策需要などを背景に、今後も安定した需要が見込まれています。国内足場事業が生み出す収益が、新たなM&Aや海外投資を支える。この好循環こそが、ASNOVAグループの成長エンジンになると考えています。また、国内事業が成長の柱である一方、海外でも成果が見え始めています。ベトナム事業では、大型案件への採用をきっかけに日本品質の安全性や施工性が評価され、足場稼働率が大きく改善しました。私は、この成果を単なる業績改善ではなく、日本で培った足場レンタルのノウハウが海外市場でも通用することを証明した大きな成果だと考えています。

人を育て、モノを育み、ゆたかさが巡る未来へ

Q.成長を続ける中で、投資家との対話をどのように考えていますか。

持株会社化やM&A戦略によって、これまで以上に多くの方からASNOVAに注目いただく機会が増えていくと考えています。だからこそ私が大切にしたいのは、投資家の皆さまとの対話です。私たちは成長を目指す企業として、M&Aや海外展開などの攻めの投資を進めていきます。一方で、その成長を支える財務規律も同じくらい重要だと考えています。

レンタル事業は資産を保有するビジネスです。だからこそ、どのような考えで投資判断を行い、どのような成長を目指しているのかを丁寧にお伝えしていく必要があります。決算説明会や個人投資家向け説明会、IR noteなどを通じて、数字だけではなく、その背景にある考え方や進捗についても率直に発信していきたいと思っています。企業の成長は、投資家の皆さまからの信頼や応援があってこそ実現できるものです。これからも対話を大切にしながら、長期的な企業価値向上に取り組んでいきます。

Q.10年後、どんな企業グループを実現したいと考えていますか。

10年後、私はASNOVA Companiesを「レンタル業の枠を超えた、レンタルの力で新たな価値を生み出すグローバル企業グループ」にしたいと考えています。足場、仮設トイレ、そして今後出会うさまざまな事業。それぞれの事業で培われた強みがつながり、人が育ち、モノが育ち、その価値が社会を巡っていく。日本だけでなく、アジア各地でそんな未来を支える存在になりたいと思っています。

私たちはグループパーパスとして「人を育て、モノを育み、ゆたかさが巡る未来へ。」を掲げました。この言葉は、事業領域が広がっても変わることのない、私たちの経営の軸です。

企業の成長は、人の成長なくして実現できません。社員一人ひとりが成長し、新たな挑戦を重ねることで、モノの価値は高まり、サービスは磨かれていく。そして、その価値が社会へ還元されることで、より大きなゆたかさへとつながっていく。私は、その循環を事業を通じて生み出していきたいと考えています。

持株会社体制への移行は、その未来に向けたスタートラインです。足場レンタルから始まった私たちの挑戦は、これから事業や地域の枠を越えながら広がっていきます。人とモノとゆたかさが巡る未来の実現に向けて、ASNOVA Companiesは次の10年へ挑戦を続けていきます。

INDEX

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