アート×足場が生み出す、新しい「循環」。MEET YOUR ART FESTIVAL 2025 アートエキシビション「Ahead of the Rediscovery Stream」 に密着
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着実に進んでいるASNOVAの「循環型ビジネス探索プロジェクト」。最終回となるvol.3では、プロジェクトメンバーとして参加している経営企画室の佐藤唯さんと古山奈央さんにお話をうかがいました。アサインされたときの率直な気持ちや新たな発見、自身に起きた変化などをお二人の等身大な視点で振り返ります。
なお、循環型プロジェクト対談記事のvol.1とvol.2もあわせてご覧ください。
【循環型プロジェクト対談vol.1】 循環型社会への第一歩。ASNOVAが描く持続可能な成長曲線
【循環型プロジェクト対談vol.2】ASNOVAの文化を起点に。多様な視点で「循環」の未来を描く
Text:光田 さやか
Photo:小林 翔
PROFILE
佐藤:今年の4月まで産休・育休をいただいていたのですが、復帰する前から「新しいプロジェクトが始まる」と聞いていました。そのプロジェクトは、会社の方向性に関わる大きな取り組みだと思っていたので、プロジェクトのメンバーとして声をかけてもらえたときはとても光栄でした。何より、復帰後すぐに、会社の未来を創る挑戦に関われることにワクワクしました。
古山:私はもともと人事部に在籍しており、2025年4月に経営企画室へ異動してきました。異動後間もないころに直属の上司から本プロジェクトの参加に声をかけていただき「今後、経営企画室の一員として、受け身ではなく会社の変化をつくる部分にも積極的に携わってほしい」と言われました。
自分で良いのかという不安もありましたが、純粋に楽しそうだなと思ったのと、経営層の声を直接聞ける貴重なチャンスだと捉えました。これまでは「決まったことを実行する仕事」が業務の大半だったので、まさか未来を創る場に参加できるとは思わず、声をかけていただけた驚きと不安がありましたが、最終的には楽しみという気持ちが勝り、参加を決めました。
佐藤:私がIR業務を以前担当していたときから投資家向けに、「足場レンタルビジネスそのものが、そもそも循環型ビジネスである」と説明していたので、「循環型」という言葉自体には特に違和感はありませんでした。
一方で、今回のプロジェクトについては、それを踏まえて「何をするの?」「何を探索するんだろう?」という気持ちがありました。
古山:私は逆に「循環型」という言葉自体にあまり馴染みがなく、正直、何を生み出そうとしているのかも最初はよくわからなかったんです。ただ、事前に資料をいただいていたので「少なくともこの資料の中で、わからない単語はないようにしよう」と事前準備をしました。
他の参加者と比べて、知識がないに等しい自分の存在がプロジェクトにとっていいスパイスになれたらいいな、というイメージでした。ですが正直、カタカナが多くて、それはもう苦労しました(笑)。

佐藤:私も同じで聞いたことのない言葉も多かったので、そのたびに調べていました。プロジェクト内でも何度も出てきた「ケイパビリティ」も、その1つです(笑)。
古山:でも、その「ケイパビリティ」という言葉は、今では人事業務でも耳にするようになりました。プロジェクトを通じて入ってきた言葉が、そのまま特定の業務の文脈で定着し始めているところもあると感じています。
佐藤:一番印象に残っているのは、サーキュラーエコノミーを体験できるゲームをやったことです。架空の街をつくって、会社を運営しながら事業構築をしていくんですが、カードを資産として持って、お金を稼いだり、協業したりするんです。それがすごく楽しかったです。私自身、たくさんお金を稼げたので「経営者のセンスがあるのかな?」って、ちょっと思いました(笑)。ただ単純に稼ぐだけではなく、社会における各々の役割を学ぶことができたことも楽しめた要因です。


古山:佐藤さんは最終的に一市民の私には手の届かない人になってましたね(笑)でも、あのゲームで一気にサーキュラーエコノミーを身近に感じることができるようになりました。
私が印象的だったのは、これまで聞いたことのない事業内容の企業をたくさん紹介してもらえたことです。私たちが当たり前に享受しているモノやコトを、別の視点から見つめ直すことで「そんなアイデアがあるんだ!」と驚く事例が多く、気づきの連続で楽しかったです。世の中には様々な会社が、それぞれの視点でユニークな事業を展開しており、自分の視野を広げるきっかけになりました。
佐藤:ロフトワークさんから提示された循環型ビジネスの事例をもとに、ASNOVAの「3C(Culture、Capability、Circular)」に照らして自社との親和性を考えるワークショップを行いました。その中で印象的だったのは、「Culture(カルチャー)」の捉え方が人によって異なるという気づきです。
私は、ASNOVAのカルチャーをバリューズ(企業の価値観)になぞらえて考えていましたが、上田社長は「ASNOVAらしさ」をベースに話していたんです。その視点がすごく学びになりました。私の考え方が少し凝り固まっていたので「もっと柔軟に考えていいんだ」と思いました。
ロフトワークさんとの関わりでは、循環型ビジネスの事例を具体的に提示していただいたことで、ASNOVAの強みや価値観を改めて見つめ直すきっかけになったことが印象に残っています。

古山:私は、あるワークで上田社長と同じチームになれたことがとても良い経験になりました。 普段は聞けないようなカジュアルな発言に直接触れられて嬉しかったです。「社長も穴が開いた靴下どうするか悩むんだ」とか。
私の意見に対しても「そんな考えがあったんだ」「それ、いいね」と声をかけてくださったのがうれしかったです。思い切ってたくさん発言してよかったです。

古山:ロフトワークさんと一緒に進める中で、「思考の順序」がとても勉強になりました。自分たちだけでは思いつかないことも多くて、最初はテーマが漠然としていたのに、最終的には驚くほどスッキリとした形に落とし込まれていった感覚がありました。
「ちゃんとゴールにたどり着いた」という達成感があり、その一連の思考プロセスが特に印象に残っています。
佐藤:私は、広報の視点で大きな学びがありました。ワークショップの中で「3C」や「クイックウィン(すぐに成果が出る取り組み)」、「スケールアップ(取り組みを広げていくこと)」など、プロジェクトを象徴するキーワードがいくつも出てきたことです。こうした言葉は、社内外に取り組みの意義をわかりやすく伝えるうえで非常に重要だと感じました。

これまでは、詳細な説明を重視していましたが、今回の経験で「短く、強い言葉が人を動かす」ということを実感しました。キーワードがあるだけで、プロジェクトの方向性や価値が一目で伝わり、社内にも自然に浸透していくと思います。考え方の変化として、「広報は情報を届けるだけでなく、共感を生む言葉を選ぶことが重要だ」という視点が強くなりました。今後は、こうした言葉を意識して、より伝わる広報を目指したいと思います。
佐藤:プロジェクトを通して、「ASNOVAらしさ」を考えるようになりました。オウンドメディアでもこれまで以上に「らしさ」を追求して発信するようになりましたし、ASNOVAらしいことをしようと意識するようになりました。
サーキュラーエコノミーに関しても、目を向けると「これも循環だな」と感じることが増えました。生活の中で「循環」の捉え方が馴染んできて、「これはどうしたら循環できるだろう?」と考えるようになりました。

古山:私も同じです。例えば最近、スマホを買い替えたんですけど、今スマホって「2年使ったものを返却すれば残価の支払い不要で新しいものが買える」というサービスがあって、まだ余裕で使える状態でも新しいものを買うことになりますよね。このサービスって、サーキュラーエコノミーの考えが広がったら、いずれ廃れるんじゃないかなと思ったんです。 私が買い換えたスマホだって、本当はまだまだ使えるものだなと考えると、日頃の生活の「もったいない」に今までより目が向くようになりましたし、循環を意識することで当たり前に行っていた自分の行動を鑑みるようになりました。
古山:個性的な価値観を持った、多様な人たちの集まりだなと思います。上田社長も「らしくないと言われたい」とよく仰っていて、「変わっていること」を良しと思える人が多い会社だと感じます。

佐藤:今回のプロジェクトの最終地点として、M&Aで買収する企業に説明するためのASNOVAの思いを資料にまとめているんですが、その中でも「ASNOVAはカルチャーを大事にしている」と伝えています。
でも、それって普通はあまり一般的ではないことだそうです。そこがASNOVAらしいところだなと。普通だったらM&Aの場合、今後のメリットや事業展望を前面に出すところですが、「企業文化の相性を見ています」と言っているわけですから。ちゃんと「人」を見ている会社なのだと想います。
佐藤:今回のプロジェクトを通じて、文化を尊重しながら融合させることの大切さを実感しました。今後、ASNOVAのグループに新しい企業が加わるときには、それぞれの文化を大切にしながら、「ASNOVAらしさ」と掛け合わせて広めていきたいと思います。文化をつなぐこと、そして柔軟な発想を持つこと。この2つを、今後の業務に生かしていきたいです。
古山:ASNOVAでは頻繁にプロジェクトが始動しますが、正直「また自分と関係ないところで何かやってるなあ」と感じている方もいるはずです。 私は今回プロジェクトに参加したことで、「経営層の方々がどのような意志や気持ちを持ってASNOVAの未来を創ろうとしているのか」を肌で感じることができました。おかげで、「これからのASNOVA」を以前よりクリアに想像できるようになりました。
今後は、会社の方針やビジョンを自分事として捉えにくいと感じている人たちへの橋渡し役ができればうれしいです。これは一般社員である私だからこそできる役割だと感じています。
会社の変化と自分の取るべき行動をうまく連動させながら、会社と共に成長していきたいと思っています。

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