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Text:光田 さやか
interviewer:阿南 元春
Photo:阿南 元春

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PROIFILE

Wyman
Qool Enviro Pte.Ltd. 創業者。オペレーション部門を管掌し、経営全般において責任者としての役割を担う。
Cindy
Qool Enviro Pte.Ltd. 創業者。営業部門、経理部門を管掌し、経営全般において責任者としての役割を担う。
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シンガポールの仮設トイレレンタル会社「Qool社」をグループ化。ASNOVAグループ参画の背景と想い

2025年4月、ASNOVAはシンガポールを拠点に仮設トイレレンタル事業を展開するQool社をM&Aによりグループ化しました。建設現場やイベントに対応した仮設トイレの提供をはじめ、清掃や廃棄物管理まで一貫して担うQool社は、現地において安定した顧客基盤と収益力を誇る企業です。
今回、創業者である Mr.Wymanと Ms.Cindyに、創業時の苦労や経営に対する想い、ASNOVAとの出会いと決断の背景、そしてこれから目指す未来について、お話を聞きました。

Text:光田 さやか
interviewer:阿南 元春
Photo:阿南 元春

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Wyman
Qool Enviro Pte.Ltd. 創業者。オペレーション部門を管掌し、経営全般において責任者としての役割を担う。
Cindy
Qool Enviro Pte.Ltd. 創業者。営業部門、経理部門を管掌し、経営全般において責任者としての役割を担う。

「人を大切にする」理念が導いた、Qool社とASNOVAとの出会い

Q.お二人がQool社を設立したきっかけをお聞かせください。

Cindy:Qool Enviroは2006年にシンガポールで創業しました。事業内容は、仮設トイレのレンタル、清掃、廃棄物管理サービスです。設立当初は50台の仮設トイレからスタートし、現在では3,000台以上を保有するまでになりました。手洗い場やシャワーなどの衛生設備(ポータブルタイプ)も提供しています。


私たちのオペレーションの中心にあるのは、「人々への強いコミットメント」です。お客様と従業員、それぞれのニーズを理解し、応えることを大切にしており、「聞く・届ける・気遣う」をモットーに、人を中心とした組織づくりを行っています。


Ms.Cindy

 

 

Q.創業時に苦労したことはありますか?また、どのように乗り越えましたか?

Wyman:会社立ち上げ当初は、資金も人材も設備も足りませんでした。起業には多くの資金が必要だったため、数人の投資家に出資をお願いしました。その後、数年かけて彼らの持ち分を買い戻しました。


Ms.Cindyと私は、最初の仮設トイレ50台と車1台を購入するために、両親から資金を借りました。Ms.Cindyは営業、会計を担当し、私は創業当初からのメンバーである Mr.Kewとともに現場のオペレーションを担当。まさにゼロからのスタートでした。


Mr.Wyman

 

 

Q.大変なところからのスタートだったのですね。ASNOVAとはどのように出会ったのでしょうか?また、パートナーとしての決め手となった部分をお聞かせください。

Wyman:2018年頃から、当社に合併や買収を提案してくる企業が現れ始めました。これまでに複数社からアプローチを受けましたが、お断りしました。理由は、マネジメントスタイルが私たちと合わなかったからです。


私たちは、10年以上ともに働いてきた従業員をとても大切にしています。雇用主と従業員という関係より、家族や親しい友人のような関係性を築いてきました。そんな私たちの価値観を理解し、共感してくれる会社でなければ、託すことはできません。 ASNOVAの上田社長と初めて話したとき、従業員への向き合い方やレンタル・建設関連事業の経験値など、多くの点で共通点やシナジーを感じました。「ASNOVAなら託すことができる」と直感し、ASNOVAグループに加わることを決意しました。



Wyman:また、設立から19年が経ち、事業自体は安定しているものの、企業規模としては決して大きくありません。そんなQool EnviroがASNOVAグループに入ることで、事業の拡大や新しい市場への進出が実現できると考えました。特に、従業員に成長の機会を与えたいと強く思っています。


いま私たちの会社には若い社員が多くいます。彼らにとって、成長する機会を与えることが必要だと考えています。もし、このまま私たちが小規模企業のままで留まってしまうと彼らの未来がありません。社員たちに「ASNOVAグループになることで、SMC(中小企業)からMNC(多国籍企業)になることができ、いろいろな機会にも恵まれるはずだ」というメッセージを伝えたところ、とても前向きな姿勢を見せてくれました。


Cindy:日本の上場企業であるASNOVAという大きなプラットフォームの仲間になることで、従業員はより多くを学び、成長できると感じています。


Wyman:社内の1on1インタビューでも、「日本に行ってみたい」という声が多く聞かれました。また、働く環境に関しても、ASNOVAと私たちはとても似ていると感じています。特に、従業員へのケアにおいては、ASNOVAの方が私たち以上に気を配っている印象があり、それは従業員にとっても喜ばしいことだと思っています。


 

価値観を共有するパートナーとして、二社は次なるステージへ

Q.会社を経営していくうえでお二人が大切にしていることをお聞かせください。

Wyman:私たちにとって「お客様に仕えること」が最も大切です。ここで言う“お客様”には、サービスの利用者だけでなく、従業員も含まれます。社外のお客様に満足していただくには、まず社内のお客様(=従業員)を大切にする必要があると考えています。従業員がハッピーに働ける環境をつくることで、その姿勢がお客様にも伝わっていくと信じています。


Cindy:例えば、 Ms.Shermaine や Ms.Lynn のように、入社当初は運営アシスタントやテレマーケターだったスタッフが、営業マネージャーへと成長しています。そして、将来的にはリーダーとして活躍してくれることを期待しています。


 

Q.お二人はプライベートも一緒に過ごすことが多いのですか?

Cindy:私たちはプライベートでも、家族や友人との時間をとても大切にしています。優先すべきは家族、特に両親や子どもたちです。家族旅行やスポーツ(ボウリング、水泳など)も一緒に楽しんでいます。


Wyman:私もMs.Cindyと同じです。仕事でもプライベートでも、24時間一緒にいます。実は私は静かな時間も好きで、一人でハイキングや森を散歩するのが好きです。自然の中で平和と静けさを感じる時間を大切にしています。コロナ禍の前は、毎週水曜日に早めに業務を終えて、社員みんなでボウリングに行くこともありました。それがチームの絆を深めるいい時間になっていました。


 

Q.今後、ASNOVAと一緒に叶えたい夢や展望はありますか?

Wyman:今後は、ASNOVAとともに仮設トイレ以外のサービス事業にも挑戦していきたいです。そして、それを海外にも展開していきたいですね。現在は約600社以上の顧客に仮設トイレを提供していますが、他の事業も展開することで売上の拡大も見込めます。


Cindy:私も、Mr.Wymanと同じ考えです。トイレレンタルだけでなく、新しい事業、そしてシンガポール以外の国にも広げていきたいと思っています。


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