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Text:光田 さやか
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深野 修平
株式会社ASNOVA 機材管理部 関東第1エリア エリア長。北関東及び東北エリアのエリア長として、エリア全体の機材センター管理業務において責任者としての役割を担う。
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信頼される背中で導く。ASNOVAが誇るエリア長の人材育成論

若手の育成からセンター長のマネジメントまで、現場の最前線でリーダーたちを支え続けるのが、機材管理部 関東第1エリア長 深野修平さんです。ただ指導するのではなく、まず自分が手本を示す。寄り添いながら背中で語る。部下たちに安心と挑戦の意欲を与えてきた深野さんに、育成哲学を聞きました。

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深野 修平
株式会社ASNOVA 機材管理部 関東第1エリア エリア長。北関東及び東北エリアのエリア長として、エリア全体の機材センター管理業務において責任者としての役割を担う。

まず自分がやってみせる!嫌なことから逃げない姿勢が信頼を生む

Q.深野さんといえば、これまで数多くのセンター長の育成に関わってきました。センター長を育成するうえで大切にしていることはなんですか?

深野:一言でいうと「逃げないこと」ですね。僕がまだ入社したてのころ、できないことや悩んでいることを相談すると「そんなの、気にせず言ったらいいよ。やってみたらいいよ。」と返されることが多かったんです。よく解釈すれば「やらせてくれる」と受け取ることもできますが、それができないから困っているわけで……。それってただの無責任なんじゃないかって思うようになったんです。


だから僕は、センター長たちが言いづらいことや、やりづらいことを、まず自分が率先してやってみせるようにしています。その相手がたとえ上司でもお客様でも、お取引先様でも関係ない。まずは自分が先に、目の前の問題から逃げずに立ち向かうんです。 そうして、いわば「強制的に道筋を見せてあげる」ことによって、一種の突破口ができるわけですよね。そうすると後輩たちは「深野さんのようにやればできるんだ」「深野さんがいてくれるなら思い切ってできるかもしれない」と自信が持てるようになるわけです。真似してもらいやすくする、というのがわかりやすいかもしれません。

何事にも逃げずに立ち向かっていく姿勢を見せてやりたいと思っています。


機材管理部 関東第1エリア エリア長 深野修平 さん

 

 

Q.頼れる存在ですね!話し方や伝え方で意識している点はありますか?

深野:まず、どんなことを言うときでも僕はできる限り対面で行います。文章や電話だと、表情やトーンがうまく伝わらないですし、その場に行くことですぐ解決するのが一番早い場合もあります。だから、どこでも飛んでいきますよ!


あとは、「メリハリ」ですね。注意するときはパッと手短に注意する。でもすぐに切り替えて、いつもの自分に戻るんです。ずっと注意するモードでいると相手も引きずってしまうし、萎縮してしまってまたミスを生むことにもなりかねません。瞬時に切り替えて、楽しくやるのがいいと思っています。


 

Q.ASNOVAのセンター長に求められる“要素”とはなんだと思いますか?

深野:私たちの仕事は足場レンタル業ということで、建設業ではありますがサービス業でもあるわけです。お客様から無理を言われたり、こちらが引いて要望を受け入れたりしなくてはいけない場面も少なからずあるんですが、だからと言って気を遣ってばかりではいいサービスは提供できません。お客様と対等に向き合う、むしろぶつかって応えていくくらいの気持ちは必要かもしれませんね。


どちらが上とか下とかではなく、どちらもうまくいく関係性でないと長く続かないですし、そういう誠実さが信頼にもつながると思います。もちろん、礼儀は忘れずに。それがセンター長に欠かせない要素だと思います。


私自身、ASNOVAの看板を背負って仕事をしています。看板を背負うという言葉だけでも人それぞれ違った価値観があると思いますが、めちゃくちゃ燃えてくるんですよね(笑)。いい意味でセンター長たち個人も“心を燃やす何か”“誰にも負けない何か”を持つことも必要な要素だと考えています。


 

やりがい、わくわく、あんしん。人の心を動かす育成とは

Q.ASNOVAの仕事を表すキーワード「やりがい、わくわく、あんしん」について、センター長育成の観点で意識していることはありますか?

深野:「やりがい」に関しては、やはり目標を持つことが何より大切だと思っています。私自身もそうですが、目標がないと日々がなんとなく過ぎてしまい、仕事に身が入らなくなってしまう。だからこそ、センター長や作業員の方々には、「いつまでに何をどれだけやるか」という目標を、なるべく具体的に設定してもらうようにしています。
そのうえで、小さな成功体験を積み上げてもらい、達成したときにこそ「やりがい」を感じてほしいですね。 なかには、自分の目標をなかなか持てないという人もいます。そういう人には相談に乗りながら、一緒になって目標設定するようにしています。



深野:また、競争心も少しは持ってほしいと思っています。他人と比べて落ち込むのではなく、「自分ももう一歩やってみよう」と思えるような、ちょっとした意識付けをするよう心がけています。

そして、当社のレンタル事業がどのように社会と関わっているのか、つまり、足場の材料がどこでどう使われて、どんなふうに返却されてくるのかという、背景の部分を説明するようにしています。単なるモノのやりとりではなく、社会の中で意味を持って動いているということを知ることで、仕事への理解と責任感が生まれると思うんです。


 

Q.「わくわく」や「あんしん」については、どのように意識していますか?

深野:「わくわく」は人によって違いますが、私が常に意識しているのは、自分自身がまずわくわくしていること。上司がつまらなそう、大変そうな顔をしていたら、部下はまずついてきてくれません。私は人と関わることが好きなので、社内の「木鶏会」などで顔を合わせたり、拠点を回って他のエリア長と会ったりするたびに、自然とわくわくしています。その気持ちが、自然と部下たちに伝わるように、笑顔でいることを大事にしています。


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「あんしん」という意味では、会社としての基盤がしっかりしていることが大きいと思います。福利厚生も整っていますし、レンタル資材の保有量や品質についても業界トップクラス。その上で、社員の挑戦を否定せず、「まずやってみよう」と言える風土がある。私自身も、やってみたいと言われたことを最初から否定せず、「とりあえずやってみようよ」と背中を押すようにしています。やってみて初めて分かることもありますから。そういった安心感は提供できているかもしれません。


 

Q.「足場レンタルサービス」という事業自体も、社会全体で見たら意義のあるサービスですよね。

深野:そうですね。私たちの扱う足場材が、どんな建物でどう使われているか、その“先”を知ることがとても大切だと考えています。材料の管理や出荷作業だけをしていると、その先に何があるのか見えづらいこともありますが、足場というのは、建物や橋といった立体物がある限り、何百年先も必要とされ続けるものです。これは言い換えれば、足場の仕事には社会的意義と持続性がある、ということでもあります。


日頃から現場のスタッフには、「今自分たちが扱っている材料が、どこでどう使われるのか」「社会のどんな場面で役立っているのか」を伝えるようにしています。たとえば車で道を走っていて、工事現場の足場にうちの緑色の材料が使われていたら「これ自分たちの足場だ」と感じることができる。


そうやって、自分たちの仕事が社会とつながっていることを実感してもらえたら、それがやりがいにも誇りにもつながると思うんです。目の前の作業だけにとどまらず、その先にある価値まで含めて仕事を捉える。それを伝えるのが、私の役目だと思っています。


 

Q.深野さんが考える、人材育成やマネジメントの「やりがい」とはなんでしょうか?

深野:私は「TTP」という言葉を大事にしています。「徹底的にパクる」の略なんですが、まずは良いと思った人のやり方をそのまま真似てみるんです。私もこの会社に入ってからは、うまくいっている先輩たちのやり方を徹底的に観察し、取り入れてきました。そうしているうちに、だんだんと自分なりのやり方や考え方が混ざってきて、「自分だけの色」ができてくる。その瞬間が、たまらなくおもしろいんです。


センター長の皆さんにも「まずは真似でいい。そのあとで自分らしさを足して、唯一無二の存在になってほしい」と伝えています。センターごとに色が違っていい。むしろ、違うからこそいい。それぞれの色が合わさって、七色の虹のように多彩な組織になる未来をイメージしながら、日々の育成に取り組んでいます。


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