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Text:光田 さやか Photo:小林 翔

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森下 哲
株式会社ASNOVA 取締役 仮設事業本部 本部長。2017年に株式会社ASNOVAに入社し、仮設事業本部の責任者として足場レンタル事業に携わる。
笠川 真代
2021年にASNOVAへ入社。経営企画室にて新規事業やマーケティング戦略などを中心に業務を行う。
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誰でも、すぐに、簡単に。「足場」がもっと身近になる新たな取り組み

いきなりですが、質問です。
みなさんは、「足場」をどのようにレンタルするかご存じですか?

ASNOVAのサイトにも紹介がありますが、通常は問合せをすると、その後必要な資料の提出、 ASNOVAの足場レンタルサービスの担当者 との面談やローン審査、といった流れになります。
そのため、最短で1〜2週間は時間がかかってしまっていました。

そんな状況を「なんとかできないか、よりたくさんのお客様に「足場」をスムーズにご提供できないか」と考えたのが、経営企画室の笠川真代さんをはじめとしたプロジェクトメンバーでした。
そして彼らの理想を実現するために欠かせなかったのが、取締役 仮設事業本部 本部長である森下哲さんの存在。
今回はそんなお二人に、新足場レンタルサービスについて、ざっくばらんにお話を伺いました。

Text:光田 さやか Photo:小林 翔

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森下 哲
株式会社ASNOVA 取締役 仮設事業本部 本部長。2017年に株式会社ASNOVAに入社し、仮設事業本部の責任者として足場レンタル事業に携わる。
笠川 真代
2021年にASNOVAへ入社。経営企画室にて新規事業やマーケティング戦略などを中心に業務を行う。

異なる視点で見る「足場レンタル業界」とは?

まずはお二人とも自己紹介と、お互いの関わりについてお聞かせください。

森下:私は、仮設事業本部の全体を統括する立場にあります。営業という部分では、既存のお客様の成長と新規のお客様の発掘がメインになります。新規顧客の獲得でいえば、皆様さまざまな課題を抱えておられ、年々難易度が上がってきているように実感しています。
そんななか、笠川を含む経営企画室のメンバーが、課題を克服するための1つの手段を提案してくれたことがきっかけとなりました。
笠川:私は経営企画室に在籍し、主にマーケティング業務を担っています。その中で新規事業の立ち上げに注力しているのですが、新規顧客の獲得として、建設業界以外の方にも「足場」を身近に感じていただけるサービスはないか、と考えていました。プロジェクトを進めていくなかで、森下本部長にお力添えをいただき進めることができました。

ありがとうございます。お二人とも立場が異なりながらも、それぞれ感じる部分があったのですね。

森下:そうですね。この2〜30年で建設業界は人が減ってきています。単純に、従事する人材が不足しているということもありますが、今は昔に比べて工事期間全体が延期したり、着工が遅れたりといった事案が増えていることも影響していると思います。
そんななか、どのようにして職人さんを増やしていくのか。事業を始めたばかりの若い職人さんをどのようにサポートしていくのか。私たちなりの関わり方を模索していました。
 
笠川:私は入社前まで「足場」と聞いても、日常生活であまり意識したことがなく、「工事現場で使われているものだな」くらいにしか思っていませんでした。
ですが最近、学校法人さんから「学校行事で使わせてもらえないか」という建設業界外の方からのお問合せが増えており私のように、あまり「足場」のことを知らなかった業界の人にもっと知らせていけたら、機会損失を防ぐこともできるのではないかなと思いました。

若手のアイデアを迅速に吸収して実行!頼もしい関係性を構築

今回の「新足場レンタルサービス」についての概要をお聞かせください。

笠川:これまで、「足場」をレンタルしていただく際には、契約の手続きだけで2週間くらい必要でした。この期間を短縮し、もっと気軽にレンタルしていただけるように、カード会社のオリコ様と連携することにより、最短で即日審査が可能になりました。また、web申し込みも可能にし、ファーストステップのハードルを低くしました。そうすることで、早くてお申し込みの翌日には出庫できるようになりました。今すぐ借りたい、ちょっとだけ借りたい、個人事業主だけど借りられるのか、といったお客様のニーズに応えられる仕組みになっています。
森下:これまでは、当社の都合とお客様の都合を調整しながらヒアリングして、決算書をいただき、社内で必要な書類を作成し、何人かが決裁し……というプロセスが必要でした。やはり何千万円もする資材を預けるわけですから、それなりの手順が必要なので、足場レンタル業界では当たり前のことですね。
ですがそういったことでは、すぐ必要なお客様からすると「じゃあもう他あたるからええわ」となってしまうわけです。
そこで、若い営業の社員も交えて新規のお客様の課題を解決するためのプロジェクトチームを発足し、そこへ経営企画室もジョインして、作り上げていきました。
 
笠川:営業の方々の意見を吸収できたのは、経営企画室としてはとてもありがたいことでした。職種の垣根を越えて、会社全体として取り組んだプロジェクトでした。
そんななか新サービスのキーワードとして掲げたのは「誰でも、すぐに、簡単に」という言葉でした。
 
誰でも=業界以外の方、個人事業主の方でも
すぐに=申し込みからご利用までをなるべく早く
簡単に=webからの申し込みを可能にしてお客様の利便性を向上
 
このように強みを打ち出せたことで、「新 足場レンタルサービス」として確立することができました。
 
森下:万が一のときの債権回収などもありますし、あまり入口だけを軽くするのも難しいなと、実は私自身少し不安に思う部分もありました。そのあたりは、彼らの抱える課題を前向きに解決しようということで、社外的に発生する大きな調整と、社内的に発生するアイデアへの決断をスピーディーに行うようにしました。

そういった関係性だったからこそ、プロジェクトチームは思う存分意見を出せたわけですね!

森下:当社は、挑戦して失敗したことに対してはとても寛容ですから。面白かったらどんどん挑戦していいよ、というのは私と社長との間でも共通認識があったので、私としても判断しやすかったです。
全体を通して、若い社員にこちらの常識を押し付けず、どんどん意見を出させたこと。これが成功の鍵だったのではないかなと思っています。

新サービス導入により変わる「足場」の未来

このサービスが運用されることにより、どのような変化が起こると思いますか?

笠川:「足場レンタル」というサービスそのものが業界外の方にも認知されるようになると思います。当社も「足場」の可能性を広げるという意味で、さまざまな事業を展開していくので、「足場を使ってこんなこともできるんだ」と思ってもらえたらうれしいです。認知度を高めていくことが業界全体の成長にもつながるのではないかなと思っています。
森下:実は一般の方にも「足場」って意外と需要あったりするんです。家の壁のここだけをちょっと補修したいという方もいれば、ガーデニングにこだわっている方が花壇のように使っているのを見かけることもあります。先ほどの話にもなりますが、私たちの思い込みを超えた発想が広まることで、活用の幅も広がっていくのかなと思っています。そういうところは逆に学ばせてもらうところでもありますね。

最後に「ASNOVA」としてはどのような社会を創っていきたいですか?今後の展望をお聞かせください。

森下:私たちの注目する社会問題として、1つに住宅のリフォーム需要が挙げられます。戸建住居を含めた新築着工がどんどん減っていく一方、空き家問題は国全体で見ても深刻な問題です。そして、年々増え続ける災害もそうです。建造物の復旧工事には足場は欠かせません。そう考えると、この業界もまだまだ世の中には必要とされている分野だと思います。そこにあらゆる事業の可能性を見出していきたいです。
笠川:業界の中では、職人さんの高齢化や人材育成に対する課題もよく聞くので、このような社会課題にも取り組んでいきたいです。あとは、より地方にも目を向けてみたいと思っています。たとえば、地方に行けば行くほど「足場レンタル」というサービスが行き届いていないように感じます。そういった方々に対しても、気軽に利用していただけるような新しい仕組みを作っていけたらと思っています。

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