作品が展示される大きな白いキャンバス。それを裏方で支えている壁下地(足場たち)の存在。
裏へ回って見ると足場は、お知らせコーナーの役割を担いながら、画材や参考本などの物置としても活用され、空間に馴染んでいる。アーティストや、ギャラリーへ来た方の反応はいかがでしたか?
設楽:ASNOVAさんが提供していただいた足場で作ったギャラリーはタネリスタジオ所属のアーティストやお客さんからとても好評でした。特に商店街の方がギャラリーの展示を見て「面白いね」「こういう仕事してたんだね」と言ってもらえたのが嬉しかったです。
商店街に拠点を持つと言ってもアーティスト達のアトリエで、なかなか外部と接する機会が少ないので、外と繋がれるスペースを持てたのは僕らタネリスタジオにとって進歩でした。建築関係のお客さんも足場でギャラリーを作ってることに興味を示し楽しんでいましたし、これからもここから、いろいろな人と繋がれればと思っています。
出来栄えは、何点くらいですか?
100+20の120点です。本当に。足場で作ったギャラリーは少なくとも愛知県には無いでしょうし、ギャラリーが路上に面していて陽の光が入ってきてギャラリーの壁の白さやメタリックに光る足場の棚が映え、展示してある作品も映えて最高です。
アメリカ西海岸にある「ふらっと入れる様な、カジュアルなギャラリー」の構想に足場の雰囲気がマッチ。
“足場が創る〇〇場。”と聞いて、思いつくことはありますか?
設楽:“足場が創る〇〇場。” で〇〇に入るような言葉で思いつくのは ”そそられる” でしょうか。足場で作られた空間がまるで子供の時に友達と作った秘密基地や想い描いていたおもしろスペースのように大人になっても残っている子供心を”そそられ”たり、想像力を広げてくれる良い意味としてこの言葉が思い浮かびました。ふらっと入れるような場所の”ふらっと”というのは”そそられ”て入ってしまうと同じ意味だと僕は思います。
その理想「場」にどのくらい近づいていると感じますか?あとは、どんな要素が必要なのでしょうか?
設楽:まだ認知度が低いので、SNSや口コミで地道に宣伝していくのと、箱としては完成されているので、やはりこれからは箱の中でどんな面白いことや、人の手助けをするかということでしょうか。面白い事とはアートの展示をしたりもベースとして重要ですが、映画の上映会や出張飲食店(これは去年おこない好評でした。)、若手のセレクトショップなどのイベントや展示会など開催できたらなと考えてます。
設楽:人助けというのは、場所の提供です。アーティストは、制作場所と作品の保存場所が必要になります。なので、そういった方の手助けをしたいです。広い作業スペースがなく大きい作品を作れないアーティストさんもいますので、スペースを提供して一ヶ月使ってもらったり、その様子をSNSで配信したり等の活動要素がこれから重要になってくると思います。
タネリスタジオ
画家や彫刻家・陶芸家・写真家・映像作家の集まる共同スタジオ
住所 :愛知県瀬戸市末広町1丁目31-6